環境協力金、8割が肯定的 観光庁、奄美大島内外で調査

2022年06月24日

社会・経済 

 奄美大島の自然保護などを目的とした「環境文化協力金」(仮称)導入の賛否や内容に関して、観光庁が同島内外で実施した意識調査の結果が、2022年度版「観光白書」に掲載される。政府が10日に閣議決定した。同庁の資料によると、同島での環境文化協力金導入については「賛成」と「容認」を合わせた肯定的な回答が約8割を占めた。

 

観光庁によると、22年度版観光白書は近年の動向をまとめた4部構成。奄美大島での環境文化協力金導入に関する意識調査は第2部「新型コロナウイルス感染症に向き合う観光業とこれからの課題」で、「持続可能な観光の取り組み事例」として紹介されている。

 

調査は国際基準に基づく「日本版持続可能な観光ガイドライン」モデル事業として、同庁が実施。「地域連携DMO(観光地域づくり法人)」に登録されている、あまみ大島観光物産連盟の特定財源確保を目的とし、環境文化協力金導入の可能性を検証した。

 

アンケート方式で、インターネットを活用した全国調査(有効回答数300件)と奄美大島来訪者対象の調査(同101件)を実施。世界自然遺産登録や環境保全に関する知識を確認した上で、環境文化協力金導入への賛否や理由、用途、金額、方法などを尋ねた。

 

調査の結果、環境文化協力金導入の賛否については▽大いに賛成▽どちらかと言えば賛成▽環境文化を守るためにやむを得ない―を合わせた肯定的な回答が全国調査で78%、奄美調査で84%を占めた。

 

徴収した協力金の希望使途(複数回答可)=グラフ=は全国、奄美とも「自然環境の保全保護」が最も多く、次いで「植林やサンゴの移植等」。ほかに「伝統文化の維持・継承」「アマミノクロウサギの保護・増殖」、全国では「野生生物の密猟・盗掘対策」「トイレや駐車場の整備」などの回答も多かった。