生産量、生産額ともに22%増 23年奄美の水産業 県大島支庁群島概況
2025年05月09日
社会・経済

水揚げされた魚介類が並ぶ名瀬漁協の荷さばき所(資料写真)
県大島支庁がまとめた2024年度奄美群島の概況によると、水産業は23年の漁船漁業生産量が1608トン、生産額が13億6700万円となり、ともに前年比で22%増加した。1989(平成元)年の生産量は4187トン、生産額は30億1600万円で、いずれも約30年間で5割以下に減少した。
群島周辺の海域はカツオやマグロ、サワラ、アジ類といった回遊魚をはじめ、ムツ、ハマダイ、アオダイなどの瀬物類、ソデイカ、イセエビなどの資源に恵まれ、これらの魚種を対象とした漁船漁業などが営まれている。概況によると、漁船規模や経営規模は依然として零細だが、経営安定のための離島漁業再生支援交付金事業などの制度を活用し、種苗放流や魚礁設置、付加価値向上へ取り組んでいる。
群島内の漁業協同組合別で生産量と生産額(いずれも各漁協で集計期間が異なる)をみると▽名瀬412トン、2億6201万円▽奄美96トン、1億358万円▽宇検13トン、1198万円▽瀬戸内434トン、2億7282万円▽喜界106トン、1億1008万円▽とくのしま88トン、1億2078万円▽沖永良部島121トン、1億3111万円▽与論町338トン、3億5446万円―となっている。
奄美全体の漁船数は2018年が1717隻、19年1641隻、20年1627隻、21年1590隻、22年1560隻、23年1523隻と推移。23年の島別漁船数は、奄美大島955隻、喜界島65隻、徳之島154隻、沖永良部島154隻、与論島195隻だった。