自転車で地域の魅力案内 奄美市でナビゲーター養成講座 県サイクルツーリズム推進協

2023年11月17日

社会・経済 

島内の観光や宿泊事業者などから8人が参加し始まった「サイクルナビゲーター養成講座」=16日、奄美市名瀬

サイクリングを通じて地域の魅力を安全に案内するリーダーの養成講座「サイクルナビゲーター養成講座」(県サイクルツーリズム推進協議会主催)が16日、奄美市で始まった。2日間の日程で、奄美大島内の観光や宿泊事業者などから8人が受講。自転車冒険家の小口良平さん(43)が講師を務め、受講者は交通法規や安全スキルに加えて、自転車を通じて広がる観光資源の活用や地域づくりの可能性を実践的に学んでいる。

 

自然や景観など豊かな地域資源を生かしたサイクルツーリズムを推進する県の事業の一環で、養成講座は初の取り組み。今年度は奄美地域と霧島地域が対象で、奄美はEバイク(電動アシスト付きマウンテンバイク)が充実していることも選定理由となった。

 

小口さんは長野県出身。2007年から自転車の旅に挑戦し、奄美大島を含む日本一周の後、世界約160カ国を旅した。帰国後は自転車でのまちづくりなどに取り組んでいる。

 

参加者は交通法規や環境配慮型のガイドスキルなどを座学で学んだ後、自転車で奄美市内の山間部や名瀬市街地を回った。ガイドをする側とされる側に分かれて、ハンドサインや後方確認などの安全走行スキルの実践や、町の中にある商店や小道など普段気付きにくい観光資源を発見した。

 

小口さんは「(ゲストも事業者も、地域住民も)始めやすい自転車は観光だけではなく、地域づくりや仲間づくりなどいろいろな広がりがある。奄美は自然以外にも文化や人が近く、自転車活用の可能性が大きい」と話した。

 

奄美市名瀬でカフェを営みロードバイクが趣味の平瀬葉子さん(39)は「自転車ガイドはやりたいことの一つ。お客さんは走るレベルも性格も違う。ガイドをする大変さが分かり、よい経験になった」と話した。