キビ愛と栽培努力を熱弁 群島各地の若手農家 開さん(喜界町)最優秀賞 キビ1グランプリ初開催

2023年11月17日

地域

奄美群島内の若手農家がサトウキビ栽培の取り組みを発表し合い、最後は会場一体でキビ生産活性化を祈願した第1回キビ1グランプリ=16日、奄美市名瀬

サトウキビ栽培の取り組みを発表し合い、その魅力度を競うイベント「第1回キビ1グランプリ」(奄美群島糖業振興会主催)が16日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)で開催された。群島内8市町の各代表農家がキビに注ぐ愛情や営農効率化の努力などを熱弁。独自に確立した栽培方法で増収、増益した営農11年目の喜界町、開孝行さん(39)が最優秀賞に輝いた。

 

イベントは、高齢化や人材不足が続くキビ生産の担い手育成、情報共有・発信などを目的とした初の試み。奄美市と喜界町、徳之島3町、沖永良部島2町、与論町からそれぞれ推薦を受けた若手農家が登壇。審査員と投票権を持つ観客約180人が見守り激励した。

 

登壇者は1人10分、キビ栽培に就農した経緯や仕事としての魅力、直面した課題、克服した工夫と今後の目標など持論を展開。適期管理の徹底や作業の機械化で私生活も充実したとする発表が相次いだほか、独自の営農戦略や機器開発をPRする登壇者もいた。

 

第1回キビ1グランプリで独自の栽培方法や成果などを発表し、最優秀賞に輝いた喜界町の開孝行さん=16日、奄美市名瀬

最優秀賞に選ばれた開さんは「開マニュアルの実践」と題し、独自に編み出した▽株やほ場の適期管理▽効率重視の作業機械化▽データに基づく計画的な土づくり│など営農方法を紹介。畜産農家との連携、高齢キビ農家の支援など支え合う姿勢の大切さも説いた。

 

審査は審査員4人の評価と観客投票、栽培実績を総合して行い、賞金が最優秀賞の開さんに30万円、優秀賞の伊仙町、大竹広之さん(33)に10万円が贈られた。各審査員は「適期管理の定着を感じた」「キビ農家が増える期待が持てた」と登壇者をたたえた。

 

閉会後、開さんは「キビは家族の次に愛している。自らの成果を通じて高齢農家を支え、若手農家を増やしていきたい」と語った。審査委員長の県大島支庁農政普及課、川越尚樹課長は「今後も群島一丸となってキビ業界を盛り上げられれば」と期待を述べた。