=奄美、デザイン力は向上―鹿児島市で報告会

2018年02月23日

社会・経済 

 

デザイン人材育成事業での開発商品について意見交換する事業報告会参加者=22日、鹿児島市

デザイン人材育成事業での開発商品について意見交換する事業報告会参加者=22日、鹿児島市

 奄美群島広域事務組合(管理者・朝山毅奄美市長)が2014年度から展開してきた地域デザイン人材育成事業の成果報告会が22日、鹿児島市であった。広域は1月下旬から奄美群島観光物産協会でテスト販売している特産品のセット商品を紹介した。初年度から事業に関わってきた武蔵野美術大学基礎デザイン学科の宮島慎吾教授はデザイン力の向上などを評価して市場デビューを促した。一方、奄美の特産品について「バラつきをなくす必要がある。生産と流通のかみ合いが鍵だ」と課題も挙げた。

 

 地域デザイン人材育成事業は14年度スタートの現行奄振法で創設された奄美群島振興交付金を活用し、デザインを含めた特産品の商品力向上を目指した。専門家らによる特産品の評価、課題抽出、新たな切り口の商品開発などを進めてきた。16年度には首都圏で開催されたスーパーマーケットトレードショーに出展するなど、市場性を把握する企画も展開してきた。

 

 事業には群島内の特産品製造事業者やデザイナーらが関わった。17年度までに島々の黒糖や黒糖焼酎、茶などを食べ比べたり飲み比べたりできる「『利き』シリーズ」、厳選素材で仕上げた「『極み』シリーズ」を試作、開発。統一マークも開発した。

 

 報告会には県特産品協会の職員や鹿児島市のデザイナーらが参加。開発商品に対し意見を述べ合った。

 

 広域によると、事業は17年度で終了。18年度は観光物産協会でさらに商品力を高める取り組みを進め、同年度中に開発商品の販売に乗り出す。群島内の特産品に関わるデザイナーは約10人で、増加傾向だという。