久保、スーパーフライ級新人王に 喜界出身ボクサー、難病乗り越え

2021年02月23日

スポーツ

序盤から猛攻を仕掛ける久保(右)=21日、後楽園ホール

序盤から猛攻を仕掛ける久保(右)=21日、後楽園ホール

 プロボクシングの第67回全日本新人王決定戦が21日、東京・後楽園ホールであった。スーパーフライ級で喜界島出身の久保春平(23)=宮田ジム=が東軍代表としてリングに上がり、西軍代表の杉本太一(22)=勝輝ジム=を4回2分29秒TKO勝ちで下した。喜界島出身の全日本新人王は初めて。久保は技能賞も獲得した。

 

 久保は左右のストレートとジャブを組み合わせた攻撃で序盤から主導権を握ると、4回に杉本に連打を浴びせ、レフリーが試合をストップ。直後に杉本は力尽きて倒れた。

 

 久保は5年前に上京してから指定難病の潰瘍性大腸炎を患った。今年1月にはふくらはぎの肉離れも起こし、コンディションは万全ではなかったが、乗り越えて全日本新人王の栄冠を手にした。勝利インタビューでは「夢は世界チャンピオン。全日本新人王は通過点。今後、強い選手との対戦を楽しみにしている」と力強く語った。

 

 また、喜界島からも多くの応援メッセージが届いていたことについて「コンディションに対する不安や恐れに向き合い、乗り越えることができたのも、島の皆さんの応援があったからこそ。自分はたたき上げで、決して上手いボクサーではないが、伸びしろしかないと思っている。これからも楽しみにしてくださいと」とさらなる飛躍を誓っていた。