吉田選手ありがとう レスリング
2019年01月09日
スポーツ
日本の女子レスリング界をけん引してきた吉田沙保里選手(36)=愛知・至学館大職員=が8日、現役引退の意思を明らかにした。日本レスリング協会強化本部長だった奄美市笠利町出身の栄和人さん(57)の秘蔵っ子で、奄美にもたびたび訪れた。吉田選手と触れ合った奄美のレスリング関係者は、長年の世界の第一線での活躍をねぎらった。
吉田選手は2016年夏のリオデジャネイロ五輪で銀メダルを獲得。11月には栄さんや同門のメダリスト登坂絵莉選手、土性沙羅選手らと奄美大島を訪れた。
笠利町の県奄美パークで4人が登壇してのトークイベントがあり、吉田選手は「目標をしっかり持つことが大事。目標や夢があれば人は強くなれる」などと語った。
鹿児島商工高(現樟南高)レスリング部OB会の泰東砂さん(54)=龍郷町=はセレモニーを企画し、一行を迎えた。泰さんは、吉田選手が三重県の久居高校在学中、奄美大島であった中京女子大(現至学館大)の合宿に参加するため来島した時からの縁。
「気さくで明るい選手。ずっと応援してきた。東京オリンピックでの活躍も期待していた。まずは『長い間、ご苦労様』と伝えたい。今後は指導者として活躍してほしい」と話した。
吉田選手は12年のロンドン五輪前、沖永良部島を訪れ、講演し、子どもらと交流した。沖永良部レスリングクラブ代表の大坪繁さん(61)は「強かったね。パワーより非常にうまい選手だと感じた」と当時の印象を語る。
そして引退表明の報道を受け「若手が育ってきているし、しょうがないだろう。本当にお疲れさんという気持ち。これまでレスリングを盛り上げてくれてありがとうと言いたい。吉田選手のおかげで競技人口も広がったと思うよ」と話した。