奄美キャンプ 今秋から中止 奄美市との交流は継続 横浜DeNA
2020年02月11日
スポーツ
プロ野球の横浜DeNAベイスターズは9日、今年の秋季キャンプから奄美市での実施を取りやめると発表した。キャンプは奄美豪雨が発生した2010年から10年連続で開催。島民に勇気と感動を与えるとともに、地元アマチュア選手の技術向上、スポーツ合宿地としてのPRにも大きく貢献した。球団側は「奄美市とは変わらぬ交流を続けたい」としている。
秋季キャンプは横浜ベイスターズ時代の10年10月31日にスタートした。プロ球団の奄美キャンプは初めて。来島10日前、未曽有の災害となった奄美豪雨が発生したが、球団側は「人々を元気づけたい」と予定通り来訪し、島民を喜ばせた。
過去10年間のキャンプ期間中は野球教室や施設慰問、食事交流会などを通じて球児たちに夢と希望を与えた。
毎年島外からファンが詰め掛けるなど観光、経済効果も大きかった。過去には、メジャーリーグに移籍した筒香嘉智選手や山口俊選手らスター選手もキャンプに参加。練習会場の名瀬運動公園市民球場は「プロ仕様」に整備され、スポーツ合宿地としての知名度向上につながった。
地元側も受け入れ体制整備に力を入れた。官民でつくる奄美協力会(会長・朝山毅市長)を立ち上げ、応援ツアーなども実施。本拠地の横浜スタジアム(神奈川県横浜市)では例年のように「奄美デー」と銘打ったナイトゲームが開催されてきた。
今後の秋季キャンプは横須賀市に昨年完成した施設「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」を中心に行う。
朝山市長は10年前を振り返り「豪雨直後で災害対応に厳しい状況下だったが、プロ球団が初めて訪れたことに大変感激し、島民に大きな希望と勇気を与えてくれたことを今も鮮明に覚えている」と感謝する。キャンプ地変更を「残念」としながらも新施設完成に祝意を表し、「キャンプがつないでくれた縁をこれからも大切に、さらに交流を育みながら応援し続けたい」とコメントを寄せた。