奄美市の愛の浜園で聖火ビジット 東京2020パラ
2021年08月14日
スポーツ
東京2020パラリンピック開催に向けて県が展開する「聖火ビジット」イベントが13日、奄美市名瀬の障がい者支援施設「愛の浜園」(奥田敏文施設長)であった。利用者約60人と職員らが聖火の種火を前に大会の成功と、多様性を認め合う共生社会の実現を願った。
聖火ビジットは、県の実行委員会が主催する聖火関連イベントの一環。12日に県庁で着火した種火をいくつかのランタンに分け、13日から15日までの3日間、県内16カ所の障がい者施設を訪問する。奄美関係では愛の浜園が唯一。
同園には20代から90代までの40人が入所し、21人がグループホームで生活している。この日は就労継続支援サービスの利用者もイベントに参加した。
グループホームを利用する2人が県職員からランタンと聖火リレーののぼり旗を受け取って入場すると、参加者が手拍子で迎え入れた。採火式の様子が動画で紹介され、着火の瞬間には拍手が湧き起った。
のぼり旗を持った坂井文也さん(63)は「愛の浜園の運動会でも旗手を務めたが、パラリンピックの旗はとても緊張した。いい経験をさせてもらった」と笑顔。
ランタンを運んだ永田三十六さん(66)は県の障がい者スポーツ大会でフライングディスク競技の選手として活躍しており、「自分も大会でメダルが取れるよう頑張る。聖火に思いを込め、選手たちにパワーを送りたい」と語った。
奥田施設長は「パラリンピックには共生社会実現のためのヒントがある。競技を通じて身近にいる障がい者への理解と関心を高めてもらい、すべての人が暮らしやすい社会に近付いてほしい」と話した。
愛の浜園を出発した種火は県職員の手で運ばれ、15日に大隅地区の3施設を巡る。20日は東京都で集火式があり、全国から集めた種火と、パラ発祥地とされる英国のストークマンデビルの種火を合わせ、一つの「パラリンピック聖火」とする。