台風19号 住民生活へ影響甚大
2018年08月23日
自然・気象
台風19号は21日から22日にかけて非常に強い勢力を保ったまま、奄美群島に接近し、北部を風速25㍍以上の暴風域に巻き込んだ。奄美群島は北部を中心に住家の損壊や土砂崩れが多発し、停電世帯数は最大で1万8100世帯(22日午後5時現在)に達した。空や海の便も欠航が相次ぐなど住民生活に大きく影響した。基幹作物のサトウキビや喜界島の白ゴマなど農作物への打撃も懸念される。同日午後10時現在、1500世帯で停電が続いている。
22日午後5時現在で各自治体が把握している住家の一部損壊被害は▽大和村14棟、床下浸水1棟▽宇検村10棟▽龍郷町50棟▽喜界町13棟。いずれも全壊被害はない。瀬戸内町は住家被害について報告を受けていないという。
奄美市は調査を終えておらず、具体的な被害状況は分からないとしているが、市内では住家や商業ビルの損壊、倉庫やブロック塀の倒壊もあり、後片付けに追われる住民の姿も見られた。
九州電力鹿児島支社によると、22日午後10時現在、▽奄美市100世帯(停電率0・3%)▽大和村1400世帯(同96・4%)で停電が続いている。
県道名瀬瀬戸内線の大和村大金久では22日午前7時30分ごろ、土砂崩れが発生し、県大島支庁建設課は午前8時から全面通行止めにして規制復旧作業を実施。午後6時には規制を片側通行に切り換えた。
けが人も発生した。自治体や大島地区消防組合消防本部などによると、21日夕、奄美市名瀬朝日町のコンビニエンスストアで飛来物で窓ガラスが割れ、買い物客の30代女性が指を切り、店員の40代女性が耳を切った。宇検村田検の民家では70代男性が割れた窓ガラスで手足をけがした。奄美市名瀬では22日未明、傘を差して歩いていた30代の男性が風にあおられて転倒し、顎を切った。いずれも軽傷という。