夜の海 神秘的に彩る 加計呂麻島沖でサンゴ産卵
2018年06月05日
自然・気象
瀬戸内町加計呂麻島の実久海岸沖で2日夜、サンゴの産卵が確認された。卵と精子の入った直径0・5㍉ほどの淡いピンク色のカプセルが無数に漂い、夜の海を神秘的な雰囲気で包んだ。カプセルから生まれた幼生は浮遊しながら数週間をかけて海底にたどり着き、サンゴとして成長する。
同日午後10時半ごろから、樹枝状のトゲスギミドリイシや卓状のクシハダミドリイシなど約10種のサンゴが一斉に産卵する様子を、奄美市名瀬の自然写真家・興克樹さん(47)が確認し撮影した。周辺のサンゴは2000年ごろのオニヒトデの大量発生で壊滅したが、現在は海底の8割超を覆うほどに回復した。
約1時間にわたって次々と産卵するサンゴに「ピーク時には前が見えないほど。力強い営みに感動した」と興さん。「(実久海岸のある)大島海峡のサンゴ群集は観光資源や幼生の供給源として重要。回復が遅れている海域にも定着してほしい」と期待した。