定期船着かず品薄続く 沖永良部
2018年08月24日
自然・気象
台風の影響で、奄美群島経由で鹿児島と沖縄を結ぶ定期船は20日から欠航や抜港が続き、沖永良部島でも乳製品やパン、野菜などが品薄となっている。島特産の花卉(かき)も出荷が滞るなど、住民の暮らしや産業にも影響が及んでいる。
台風19号の後を追うように、奄美地方の東の海上を20号が北上した影響で、和泊港や、補完港である伊延港の沖合は23日も白波が立った。港内にもうねりを伴う波が入り、フェリーが接岸できない状況が続いた。
この日はマリックスラインの沖縄発の臨時上り便が各港を条件付きで運航。午後2時ごろから伊延港の待合所は乗船希望者や迎えの人などであふれたが、港のすぐ沖合で船が船首を返し、抜港が決まったと分かると、あちらこちらからため息がもれた。
知名町の元稲伸之介さん(39)は「旧盆で奄美大島の実家に行く予定だった。(船が着くのを)ちょっと期待していたので残念だが、仕方ない。明日行きます」と切り替えていた。
和泊町玉城のスーパーAコープでは野菜や果物などの青果類やパンなど一部の商品が品切れ。加納照也店長(49)は「冷蔵コンテナがあるので、台風の前はある程度野菜などを多めに仕入れるが3、4日も定期船が来ないとさすがに厳しい。明日はようやく船が入り、品物も揃えられそう」と安堵(あんど)するように話した。
沖永良部花き専門農協によると現在はソリダゴをメインにキクやクルクマなどが出荷されている。同農協の泉義仁さんは「いったん沖縄を経由して飛行機で本土に送る出荷ルートもあるが、上りも下りも定期船が着かないと出荷が滞って困る。花は鮮度が大事だからね」と語った。