屋根損壊など被害多数―与論町
2018年10月01日
自然・気象
与論町は30日早朝までほぼ丸一日暴風雨に見舞われた。島内全域の畑のサトウキビが倒れ、屋根が飛ばされた家屋が散見されるなど台風のつめ痕が各所に見られた。被災住民からは「2013年以来の強さの台風」との声も聞かれた。
町によると、町内5カ所に設けた避難所には住民、観光客ら191世帯371人が身を寄せた。被害は30日午後5時現在、軽傷1人、家屋の1部損壊5件。ただし停電の影響で連絡が取れていない地区もあるため全容はつかめていない。町は1日から本格的な調査に入る予定だという。
同町立長地区では家屋全体が倒壊した住家もあった。家族4人暮らしの40代女性は「避難所から帰ってきたらバラバラの状態。古い家だから覚悟はしていたが、想像を超える風の強さだった。再建までは時間が相当かかるが家族で力を合わせて頑張りたい」と話した。
自宅の屋根が損壊し役場を訪れた女性(66)は「突風が絶え間なく吹いていて竜巻かと思った。報道されていた風速以上の強さを感じた」と避難時の状況を語った。そして「家の中全部が水浸し。次の台風が来る恐れもあるので一刻も早く何とか手を打ちたい」と不安も口にした。
与論町では13年10月、非常に強い台風24号で住家全壊62棟、半壊149棟、一部損壊575棟の被害が出た。