奄美大島で未知の種発見 小型コウモリ調査 学術誌掲載 帯広畜産大の浅利さんら

奄美大島で見つかった未知の種のコウモリ(木元侑菜さん提供)

奄美大島で見つかった未知の種のコウモリ(木元侑菜さん提供)

 帯広畜産大学の浅利裕伸特任講師らは、奄美大島で行った小型コウモリの調査で、これまでに生息が確認されていない未知の種が見つかったと発表した。今年6月発行の日本哺乳類学会の学術誌に論文を掲載した。形態の違いなどから、国内に生息する似たコウモリとは異なる種である可能性が高いという。今後はDNA解析などで国外も含めた種の同定を進める。

 

 奄美大島での小型コウモリの調査は、環境省奄美自然保護官事務所の元職員・木元侑菜さんと2016年にスタート。わなを使った捕獲調査などで、これまでに島南部の山中を中心に琉球列島固有種を含め7種を確認している。

 

コウモリの体重は約7グラム

コウモリの体重は約7グラム

 このうち奄美市内の学校の教員からの情報提供を基に、校舎内で17年10月に捕獲した雄の成獣2匹について、形態の違いから奄美大島でこれまでに記録がない種と分かった。形態や発する音声の特徴から、国内で北海道、青森県、長崎県対馬で記録のあるクロオオアブラコウモリに似ていると思われたが、耳の形や腕の長さが異なるため別種の可能性が高いという。

 

 未知の種のコウモリは、背中が黒褐色で毛先が白っぽい。腕の長さは33・7~34・9ミリ。体重6・09~7・25グラム。発する音声が島南西部の海岸で収集したコウモリの音声と同じであるとみられることから、島内に複数の個体が生息している可能性がある。

 

奄美大島で未知のコウモリ発見・浅利さんら181108山崎 浅利さんによると、コウモリは山中のほか、住宅などの建造物を好む種類もいるため市街地にも生息している。奄美大島ではこれまでにコウモリに関する詳しい調査は行われておらず、開発や観光利用によって生息地が失われる可能性があるため、実態の把握が必要という。

 

 「コウモリのねぐらなどの情報提供があればありがたい。今後は把握できた分布域をベースに生息環境の調査を進めて保全につなげたい」(浅利さん)