ペットもハブに注意!

2018年04月06日

ハブに頭をかまれた猫。右は治療後6日目の様子(ゆいの島どうぶつ病院提供)

ハブに頭をかまれた猫。右は治療後6日目の様子(ゆいの島どうぶつ病院提供)

 春を迎え、これから奄美ではハブへの注意が必要になる。犬や猫などのペットもハブの脅威は人間と同じ。ゆいの島どうぶつ病院(奄美市名瀬)の伊藤圭子院長は「犬、猫はハブにかまれても大丈夫という考えは誤りで命の危険がある。万が一の際はすぐに受診してほしい。猫は室内飼育の徹底を」と呼び掛けている。

 

 奄美市内の3動物病院にハブにかまれたペットが持ち込まれた件数は年間20件以上。春先から秋にかけてが多く、犬は散歩中、猫は屋外から戻ってきた際に飼い主がかまれたことに気付くケースが多いという。

 

 伊藤院長によると、個体差や、かまれた箇所で症状は異なるが、①ショック状態になり死ぬ②ショックは起こさないが、数日かけて肝臓が悪くなり重症化、死ぬ場合も③かまれた箇所が一時壊死(えし)するが完治する―の3パターンに分かれる。

 

 犬、猫用の血清は無く、重症化した際は人間用の血清を使う場合があるが、治療費が高額になる上、ショック状態では血清が間に合わないケースもある。同院では食欲、元気がない場合は入院させて点滴治療を行い、食欲があれば抗生剤治療を施しているという。

 

 伊藤院長は「今年に入って既に3件の受診があった。人の目に触れずに死ぬケースを含めると被害はもっと多い」と危惧し、「予防が一番大事。猫は屋外への脱走を防ぐこと。犬は散歩中、草むらに頭を突っ込んでかまれる場合が多いので気を付けて」と話した。