サーブ機の退役チャーターツアー
2019年12月02日
地域
日本エアコミューター(JAC、本社・霧島市)と日本航空(JAL)グループの「ジャルパック」は1日、JAC保有のプロペラ機「SAAB(サーブ)340B(座席数36席)」の退役チャーターツアーを行った。全国各地の航空ファンら30人を乗せ、奄美群島の上空を周遊。目的地の徳之島空港には島内3町や観光関係者が繰り出し、27年間活躍した機材のラストフライトを見守った。
サーブ340Bは1992年10月にデビュー。奄美の路線では95年4月、鹿児島―喜界、喜界―奄美大島に就航した。JALグループの保有機材では最も小さい。JACは11機導入し奄美を中心に運航してきた。
JACは2017年度当初にサーブ機など3種の機材計18機を保有していたが、経営効率化で安定的に路線を運航するため、ATR42―600(同48席)、ATR72―600(同70席)へ機材統一化を進めてきた。1日現在、ATR42は6機、ATR72は2機保有。
サーブ機は11月末に退役予定だったが、ATR42の1機の納機が遅れていることから、サーブ機で今月17日まで鹿児島と種子島、喜界島、沖永良部島を結ぶ3路線を運航する。
ツアー客は1日、サーブのチャーター機で鹿児島空港を正午すぎに出発し、沖永良部島や与論島の上空を飛行して午後2時すぎ、徳之島空港に到着。エプロン内では機体を囲んでの記念撮影や徳之島3町や観光関係者の出迎えを受け、お菓子の詰め合わせが贈られた。
父親とツアーに参加した志水一心さん(19)=東京都三鷹市=は「プロペラ機に乗るのは初めてだったが、小回りが利いてジェット機との違いを感じた。退役は寂しいがまだ搭乗機会もある。再度乗ってみたい」と話した。
一行は島内で昼食を取った後、徳之島空港を出発。喜界島、屋久島などを巡り、鹿児島空港に戻った。
JACは「奄美群島の路線に就航して長い間、島民の皆さんにサーブ機をご愛顧いただき感謝。今後も奄美群島路線のネットワーク維持・充実に努めていく」としている。