犬・猫の適正飼養呼び掛け 県の改定動物愛護管理計画

民家の敷地内でくつろぐ野良猫=2020年10月、奄美市名瀬

民家の敷地内でくつろぐ野良猫=2020年10月、奄美市名瀬

 

 県は飼い犬や飼い猫の適正飼養や動物愛護思想普及などを進める動物愛護管理推進計画を改定した。「人と動物の共生する地域社会の実現」を目標に掲げ、動物の遺棄や虐待の防止、周辺環境の保全などに取り組む。犬、猫の適正飼養に関する意識啓発をめぐっては、今年の世界自然遺産登録実現を目指す奄美大島や徳之島で、野生化した犬(ノイヌ)や猫(ノネコ)が希少動物を襲う被害が課題となっている。県は計画推進により「結果的に被害の歯止めにつながるのではないか」とも見ている。

 

 改定に伴う新たな計画の推進期間は2030年度まで。▽動物愛護思想の普及推進▽適正飼養などの推進▽県民と動物の安全確保▽関係者間の協働関係構築│の4項目を基本的方針に掲げている。

 

 動物の飼育について県は、放し飼いや遺棄による犬、猫の保護、引き取り件数が年間2000匹超となっていることなどを問題視。県生活衛生課によると、19年度の犬、猫の殺処分数は1074匹に達した。

 

 放し飼いや遺棄による弊害に関しては、環境省が奄美大島の山中で進めているノネコ捕獲で不妊手術済みの個体が確認されるなど、希少動物が生息する山間部に近い集落が猫の供給源になっている可能性も指摘され、野良猫や飼い猫を含め地域全体での猫管理の必要性を訴える声も出ている。

 

 改定後の計画では、適正飼養思想普及のバロメーターとして、30年度の犬、猫殺処分頭数を19年度比で700匹近く減少させ350匹以下にするよう目標を設定している。

 

 県生活衛生課は「計画推進の柱は動物愛護や適正飼育の普及に向けた意識啓発だが、取り組みを進めることで、結果的に希少動物の保護にもつながっていくのではないか」と予想。

 

 奄美の世界自然遺産登録実現へ住民の意識啓発に取り組む自然保護課も「犬、猫の適正飼養については国や地元市町村とも連携して進めている。引き続き、地域住民の意識向上へ取り組んでいきたい」としている。