ノネコの譲渡先増加へ
2019年10月24日
世界自然遺産
奄美大島ねこ対策協議会(事務局・奄美市環境対策課)は23日付で、捕獲したノネコ(野生化した猫)の譲渡実施要領を改定した。事業開始から1年。手続きの簡素化や条件緩和など体制を見直すことで譲渡認定者の負担を減らし、より円滑な譲渡と譲渡ネコの適正飼養を目指す。
ノネコの捕獲は奄美大島の生態系保護を目的に、環境省と県、島内5市町村が策定したノネコ管理計画に基づいて2018年7月からスタートした。
捕獲されたノネコは奄美ノネコセンター(奄美市名瀬)に一時収容し、同協議会の審査を経て認定書を交付された島内外の自ら飼育する個人・法人や、新しい飼養者を探す活動を行う動物愛護団体から譲渡希望者を募る。計画では譲渡先が決まらない場合は収容から1週間をめどに安楽殺処分としているが、これまでに処分した猫はいない。
現在の譲渡認定者は島内外の12個人・団体(うち島内は2個人・団体)。23日現在の捕獲数は94匹で、収容中などに死亡した2匹を除き、88匹を譲渡した。現在4匹が収容中で、うち2匹は譲渡先が決定している。
改定点は▽他自治体の譲渡講習会受講を証明できる場合、島内での講習会を免除できる▽譲渡後、飼養管理状況の報告は1カ月後の1回のみ▽納税証明書及び所得証明書の提出の撤廃(譲渡団体は財務諸表又は収支決算書など経営状態の分かる書類が必要)―など10項目。
事務局は「ネコ対策で一番必要なのは室内飼いの徹底。島内の方の意識改善がなければ根本的な解決にはならない。譲渡先の増加が目標ではあるが、責任を持って飼える方にお願いしたい」などと説明した。
改定内容の詳細は環境省と県、5市町村のホームページに掲載する。