ハブがケナガネズミ丸のみ 奄美市の興さん遭遇、撮影

2019年06月29日

ケナガネズミをのみ込むハブ=25日午前11時40分ごろ、瀬戸内町(興克樹さん撮影)

ケナガネズミをのみ込むハブ=25日午前11時40分ごろ、瀬戸内町(興克樹さん撮影)

 奄美大島の山中で25日午前11時ごろ、国の天然記念物ケナガネズミを毒蛇ハブがのみ込む珍しい光景を、自然写真家の興克樹さん(48)=奄美市名瀬=が確認し、撮影した。ケナガネズミとハブは主に夜行性。興さんは「真っ昼間にハブがいてびっくりした。なかなか遭遇できない場面なので興味深い」と話した。

 

 ケナガネズミは奄美大島と徳之島、沖縄本島に生息する国内最大のネズミ。頭胴長約25センチ、尾の長さ約30センチと尾が胴体より長く、半分ほど白いのが特徴。主に樹上で生活している。環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠB類。

 

 興さんは瀬戸内町内の町道を車で走行していたところ、道路脇でケナガネズミの頭に食らいつく体長約1・5メートルのハブを発見。約1時間かけてケナガネズミを丸のみにしたという。ハブは5分ほど休憩すると、大きなお腹を抱えて山中へ消えた。

 

 当日の天気は雨上がりの曇り空。興さんは「最初は車にひかれたのかと思ったが、よく見たらケナガネズミをくわえていた。昼間でも曇りや雨の日はハブに気を付けないといけない」と話した。