新たな観光コース企画など承認 自然、文化の保護・活用策を協議 遺産活用公民連携会議、5氏が提案 奄美市
2022年07月17日
世界自然遺産
奄美市の公民連携会議「世界自然遺産活用プラットフォーム」(座長・須山聡駒沢大学教授)の会合が16日、同市役所であった。会議を構成するメンバー5人が奄美の自然や文化に関する保護、活用策を盛り込んだ企画を提案。来訪者の増加を見据えた新たな観光コース整備など、3件の企画を承認した。事業化へ向けた提案書案をまとめて8月の会議で協議し、承認を経て市や関係機関へ提出する方針。
公民連携会議は、奄美・沖縄の世界自然遺産登録効果を地域振興に生かすことなどを目的に、市民参加型の政策実現を目指し奄美市が5月に設立。メンバーは安田壮平市長から委嘱を受けた各分野の14人。会合は5月に続いて2回目。
メンバーの企画では、奄美自然環境研究会会長の常田守さんが「タンギョの滝」(奄美市住用町)や住用川の魅力を紹介し、観光コース整備を提案。団体ツアーや少人数のエコツアーへの活用を呼び掛けた。
あまみ植物園合同会社代表の濱田政信さんは、人と自然の関わりが育んだ「環境文化」に触れられる集落などを観光資源として活用し、経済振興につなげるため、観光客をスムーズに誘導するサイン計画を提案。
郷土料理研究家の久留ひろみさんは奄美の食文化について、アーマイナープロジェクト代表の麓憲吾さんは島唄などについて、それぞれ保全や継承につなげる環境づくりを提案。奄美博物館長の久伸博さんは、世界遺産地域周辺に植栽された海浜植物の撤去など8項目を提案した。
須山座長は「それぞれの専門性を生かしたユニークな提案だった。奄美の人たちの暮らしや環境を見詰め直すために議論を続けていきたい」と述べた。