名前は「フクちゃん」 展示コノハズクに命名 奄美海洋展示館
2023年09月07日
奄美海洋展示館(奄美市名瀬)は6日、今年1月に保護し、同館で飼育しながら来場者に名前を募っていたリュウキュウコノハズクを「フクちゃん」と命名したと発表した。担当者は「奄美に住んでいる人でも、姿は見たことがないという人も多いのでは。展示を通して身近な生き物に関心を高め、野生動物の交通事故防止にもつなげてほしい」と話し、来館を呼び掛けた。
リュウキュウコノハズクは全長22センチほどの小型のフクロウ。展示中の個体は奄美市名瀬の民家前で保護された。左の翼が折れた状態で固まっており、けがの原因は分かっていないが交通事故の可能性があるという。飛ぶことができないため同館で飼育することになり、2月から2階淡水魚エリアで公開している。
名前は6月から7月末までの募集期間に計356件が寄せられ、ペンネームみゆうさん(5)ら4人の案が採用された。県外や海外在住の来場者からも応募があったという。
同館の打和宏介学芸員(25)は「方言名の『マヤツクフ』を生かしている点や、野生復帰が難しいコノハズクに今後『福』が訪れるようにとの願いが込められている点が決め手になった。たくさんの人に親しんでもらいたい」と話した。
フクちゃんは食欲も旺盛で、獣医の定期検診でも健康状態に問題はないという。同館は観察する際には適切な距離を保ち、周囲に設けたパネルののぞき穴から静かに見守るよう呼び掛けている。