天城町三京でケナガネズミが輪禍被害
2018年11月21日
国の天然記念物ケナガネズミの死骸が17日夜、天城町三京の町道で見つかった。輪禍に遭ったとみられる。環境省徳之島自然保護官事務所は「夜間の走行時は希少動物に注意して運転してほしい」と呼び掛けている。
ケナガネズミは徳之島と奄美大島、沖縄本島に分布。背中の長い剛毛が名前の由来で、尾は胴体より長く、半分ほど白いのが特徴。環境省のレッドリストで絶滅危惧IB類に分類されている。
現場は三京集落から徳之島トンネルに向かって約1・5キロ進んだカーブが続く見通しの悪い道路。約10メートル前には動物飛び出しを注意喚起する道路標識が設置されている。死骸は雌の成獣で、体長25センチ、尾の長さ30センチ、体重560グラム。徳之島町役場職員が発見し、同事務所が回収した。
同事務所によると、島内でのケナガネズミの交通事故は今年4件(19日現在)で、昨年と並んで過去最多となった。徳之島ではケナガネズミの交通事故のほとんどが同トンネル周辺で発生していることから、同省は本年度中にトンネル近くへモニタリングカメラを設置する。普及啓発資料や注意喚起看板も作成するとしている。