幼生放つ、生命の神秘 オカヤドカリが集団産卵 徳之島町金見
2020年07月08日
【徳之島総局】徳之島で国の天然記念物オカヤドカリが繁殖期を迎えている。白い砂浜とアダンの群落が残る徳之島町の金見崎海岸では、無数のオカヤドカリが波打ち際に集まり、引き潮に合わせて幼生を海に放つ生命のドラマを繰り広げている。
オカヤドカリは南西諸島などに分布。国内に生息する7種のうち、金見崎では5種が確認されている。日暮れごろから波打ち際を目指して移動し、満潮を過ぎると海中に入り、「ゾエア」と呼ばれる茶色い幼生を海へ放つ。放出が始まってしばらくすると、周辺の海水には数えきれないほどの幼生が浮遊する光景が見られる。
6日夜に観察に訪れた同町亀津の南良明さん(36)は「産卵のため大量の個体が海を目指す姿は生命の神秘。貴重な光景を見れた」と話した。
同町金見集落の魅力を発信している一般社団法人「金見あまちゃんクラブ」の元田浩三代表理事によると、今年は先月26日から集団産卵を確認しており、今月末ごろまで楽しむことができるという。