夜の海彩る神秘 大和村沖でサンゴ産卵  写真家の興さん撮影

2020年06月12日

夜の海を神秘的に彩ったサンゴの産卵=10日午後10時50分ごろ、大和村国直沖で興克樹さん撮影

夜の海を神秘的に彩ったサンゴの産卵=10日午後10時50分ごろ、大和村国直沖で興克樹さん撮影

 大和村国直沖で10日夜、サンゴの一斉産卵が確認された。奄美海洋生物研究会会長で奄美市名瀬の自然写真家・興克樹さん(49)が撮影した。卵と精子の入った直径0・5㍉ほどの淡いピンク色のカプセル「バンドル」が無数に漂い、夜の海を神秘的な雰囲気で包んだ。

 

 興さんによると、今年は8、9日に小規模な産卵があり、10日に卓状のクシハダミドリイシや樹枝状のトゲスギミドリイシらミドリイシ属の一斉産卵を確認した。産卵は午後10時ごろから約1時間半続いた。

 

 国直沖のサンゴ群集は1998年に発生した大規模な白化現象で壊滅したが、その後急速に回復。住民らに見守られながら順調に成長を続けているという。

 

 興さんは「地域資源やサンゴ幼生の供給源として重要なもの。回復が遅れている海域でも多くのサンゴ幼生が定着してくれたら」と期待した。一斉産卵は数日続く見込み。