オンラインで「親子読書研究会」 児童文学評論家・赤木さんが講演 県立奄美図書館
2023年06月29日
芸能・文化
県立図書館主催の「親子読書研修会」が25日、鹿児島市の同図書館で開かれ、サテライト会場が設けられた奄美市名瀬の県立奄美図書館でも研修会の様子がオンラインで中継された。奄美会場では読書ボランティアや教育関係者など22人が参加。児童文学評論家・赤木かん子さんの講演や読書グループの事例発表などを通し、親子での読書活動の意義について学びを深めた。
研修会は、親子読書運動の進め方や在り方について考え、学ぶのが目的。
研修テーマは「親子読書のあゆみ~思いをつなぐ『宝本』」。県立図書館主催の「宝本エピソード展」などの企画を通じて、親子読書の魅力や意義などが説明されたほか、南九州市立川辺図書室親子読書会と読書ボランティアグループ「虹色のゆめ」(出水市)がそれぞれの活動について紹介した。
児童文学評論家で学校図書館のコーディネーターとしても活動する赤木さんは「今の子どもたちは何を読んでいるのか」と題し講演。小学校図書館での勤務経験を踏まえ、「日本では『本=小説』『読書指導をする=小説を読ませる』と勘違いしながら読書活動が推進されてきた背景がある」とし、「本は文学だけではない」と指摘。
また、学校図書館や司書の役割を「子どもたちの頭にアンテナを立てること」とし、「子どもたちの頭(発想)を刺激してあげるためには、まず目の前の子どもたちを知り、潜在的欲求を理解することが大切。図書館は良い本を入れるとこではなく、必要要な情報を集め、プールし、提供するところだ」と話した。
教育支援員で3人の母親でもある川内静香さん(54)=奄美市=は「子どもが幼い頃、1日1冊の読み聞かせを続け、大きくなった今では『本好き』に育っている。改めて親子読書の大切さを感じ、時代と共に更新される情報やニーズについても学べ、有意義だった」と話した。
親子読書研究誌「さざなみ」によると、2022年11月現在、県内の読書グループ数は565団体、会員数は1万4697人。大島地区は74団体、3745人となっている。