佐藤美代子さんが無料公演 バイオリンミニコンサート 奄美の詩人とのコラボ曲も 県奄美パーク

2023年07月09日

芸能・文化

感情を込めて演奏する佐藤美代子さん=8日、県奄美パーク

関東を拠点に活躍するバイオリニスト佐藤美代子さん(80)の無料公演「ソリストの伝言~島のみなさんと共に音よ舞えコンサート」が8日、奄美市笠利町の県奄美パークであった。地元の詩人とコラボした楽曲の披露もあり、心を込めた音色で聴衆を魅了した。

 

佐藤さんは9歳でバイオリンを始め、19歳でフランス・パリに留学。バイオリニストのガブリエル・ブイヨン氏に師事して腕を磨き、パリを拠点に世界各国で活躍した。活動休止期間を経て70代で再び音楽活動に精力的に取り組み、日本各地で演奏を行っている。

 

コンサートはバッハのプレリュードで開幕し、佐藤さんがビバルディの四季より「夏」など数曲を情感たっぷりに演奏。奄美大島在住の詩人仲川文子さんの詩を基に作曲された「音よ舞え」が披露され、佐藤さんと縁のある地元歌手や演奏家、有志によるコーラス隊がバイオリンの音色に乗せて歌い上げた。最後は「島のブルース」を演奏、来場者も歌や踊りに参加し、会場一体となって音楽の世界を楽しんだ。

 

佐藤さんの公演は音楽療法士として奄美大島など国内外で活動する前田キヨ子さん(76)=東京都在住=が主催し、今回が3回目。佐藤さんは数年前に「認知症予備軍」と診断されたものの、音楽活動を通して認知機能の改善がみられているという。前田さんは「4枚目のCD制作活動のPRとともに、佐藤さんの音色で高齢者に希望を届けたい」と語った。

 

佐藤さんは11、12の両日、宇検村の小・中学校4校で訪問演奏会を行う予定。