堂々とした演舞を披露 伝統の豊年踊り継承 油井小中学習発表会

2022年11月04日

芸能・文化

豊年踊りの「稲刈り」を披露する児童生徒ら=3日、瀬戸内町油井

瀬戸内町立油井小中学校(川畑真英校長、児童生徒7人)の学習発表会が3日、同校体育館であり、全児童生徒が伝統芸能「油井の豊年踊り」の一部を実演した。保護者や地域住民ら約40人が見守る中、紙面(カミメン)と伝統衣装を身に付けた児童生徒らは堂々とした演舞を繰り広げた。

 

油井の豊年踊りは県指定の無形民俗文化財。旧暦8月15日の豊年祭で上演され、「綱切り」「土俵祓(はら)い」「米つき」など稲作を主題とした12演目で構成される。新型コロナウイルスの影響により豊年祭が3年連続中止となる中、同校の学習発表会は踊りを伝承する貴重な場となっている。

 

この日は「稲刈り」「稲摺(す)り」「ヒギフッシュ」の3演目を発表。三味線や歌も児童生徒らが担当し、本番さながらの迫力ある踊りで観客を魅了した。白髭の翁(おきな)と弁当持ち、長鎌持ちの3役が登場する「ヒギフッシュ」では、いたずら好きの長鎌持ちが翁にちょっかいを出して怒られる様子を滑稽に演じた。

 

踊りや歌などの指導は油井豊年踊り保存会や集落住民が協力。保存会の岡野弘明会長(69)は「子どもたちの踊りはすごかった。どんどん上手になっている。実際の豊年祭でも踊れるのではと思った」と話した。

 

岡野さんの孫で、豊年踊りが大好きだという小学1年の鷹之心君(7)は「どきどきした。歌が難しかったけど、衣装を付けて踊るのは楽しかった。今度はもうちょっとかっこよく踊りたい」と笑顔。川畑校長は「子どもたちの油井魂が伝わってきた。地域の文化と日ごろから触れ合い、集落の担い手として育ってくれたら」と期待した。

 

このほか作品展示や合奏、中学生のサイエンスショーなどがあり、児童生徒が学習の成果を発揮した。