愛と平和と命の尊さ伝える 奄美、大島、大島北高も参加 鹿児島純心大主催コンサート

2024年12月28日

芸能・文化

鹿児島純心大学の学生と奄美大島3高校の吹奏楽部員らが「愛と平和と命」をテーマに演奏したコンサート=27日、奄美市名瀬

鹿児島純心大学(薩摩川内市)主催の「愛と平和と命」をテーマにしたコンサートが27日、奄美市名瀬のアマホームPLAZAであった。同大学教授による独唱のほか、吹奏楽同好会の学生5人と、奄美高校、大島高校、大島北高校の吹奏楽部員約30人が演奏。テーマに沿った曲目を心温まる音色に乗せて聴衆に届けた。

 

同大学が奄美でコンサートを行うのは初めて。2部制で、1部では人間教育学部の遠藤武夫教授(64)による独唱があった。「おぼろ月夜」「死んだ男の残したものは」「故郷」など10曲を披露。そのうち「命を生きる」は、14歳で生涯の幕を閉じた知人の孫へ向け教授自身が作曲したもの。遠藤教授は心を込め、テノールの力強い歌声を会場に響かせた。

 

2部では大学生と高校生が息の合ったリズムで4曲を演奏。「さくらのうた」や「ハナミズキ」などに続き、古仁屋高校の堀脇健太教諭(28)編曲の、島唄「よいすら節」と「稲すり節」を取り入れた楽曲「吹奏楽のための奄美民謡」を披露した。聞きなじみのある曲に会場は盛り上がり、最後は「花は咲く」を全体合唱した。

 

同大学4年でコンサート実行委員長の中島華音さん(22)は「奄美のこのホールで皆さんとお会いできたのは、日本が平和であるからだと実感した。また、音楽を通してつながることができたのも愛によるものだと思う」と語った。

 

実行委員を務めた大島北高校2年の得田藍梨さん(16)は「他校の吹奏楽部と合同演奏する機会は多くないので、その一員として演奏できてうれしかった。世界では戦争が起きている中、一日一日を大切にしてほしいとの思いを込めた」と話した。

 

会場を訪れた前田静代さんと慶ゆかりさんは「歌や演奏で力をもらえた。島唄と吹奏楽のコラボレーションも素晴らしく、音楽はいいなと感動した」と笑顔を見せた。