服部正策さんエッセイ出版 「奄美でハブを40年研究してきました」
2024年04月13日
芸能・文化
毒蛇ハブの専門家として知られる農学博士の服部正策さんの自伝的エッセイ「奄美でハブを40年研究してきました」がこのほど、新潮社から出版された。研究者として向き合ってきたハブのユニークな生態や、ハブを取り巻く環境と人との関わり、ハブによって守られてきた森の生き物の紹介のほか、長年奄美で暮らした著者ならではのディープな話題まで、奄美の魅力が詰まった一冊だ。
服部さんは島根県出身。1980年に瀬戸内町の東京大学医科学研究所奄美病害動物研究施設に赴任。2014年3月に准教授で退官後、20年3月まで特任研究員を勤めた。ハブをはじめ奄美の野生生物の研究を続け、地元の専門家として住民らへ自然の価値や面白さを伝え続けた。
本書は3部構成で、第1部ではハブの生態やハブ毒の特徴、伝説のハブハンター、20年掛けてたどり着いたハブわな、ハブの調理法と味など、ハブについての話題を余すことなく詰め込んだ。
第2、3部は奄美の自然と文化をテーマに、森にいる動植物と昆虫、地元住民も立ち入らない秘境、奄美黒糖焼酎の歴史と酒文化、選挙と住民生活など、親しみやすい文章で著者の半生を書きつづった。自ら手掛けた文中のイラストも見どころ。躍動感あるハブが目を引く装画はイラストレーターの芦野公平氏。
定価1600円(税別)。書店で購入できる。