琉球芸能ほれ込み35年 与論島出身の町さん「生涯現役で」 後進の指導にも情熱
2022年12月02日
芸能・文化
琉球芸能にほれ込み、精進を続けて35年、後進の指導にも情熱を注ぐ鹿児島県与論島出身の女性がいる。玉城流乙姫律珠之会師範の町美佐子さん(60)=沖縄県那覇市在住=だ。「好きだからこそ続けて来られた。生涯現役で頑張りたい」と話している。
町さんは与論町茶花生まれ。母親が沖縄出身で琉球舞踊を教えていたため、幼い頃から芸に慣れ親しんできた。25歳の時、友人の結婚式の踊りを頼まれたことをきっかけにのめり込んだという。
本格的に舞踊を習おうと沖縄に渡り、劇団うない(前身・乙姫劇団)団長の中曽根律子氏に師事。稽古に励み、26歳で琉球古典芸能コンクール(琉球新報社主催)舞踊新人部門、29歳で同優秀部門、32歳で同最高部門に合格した。
舞踊だけではなく、器楽にも挑戦。27歳の時に同コンクール箏曲新人部門、29歳で同優秀部門、今年に入って同最高部門に合格。箏曲では昨年、教師免許も取得している。5年前には沖縄タイムス社主催の伝統芸能選考会で太鼓最高部門にも入賞している。
現在は沖縄を拠点に活動。地元与論島の後進育成にも力を注ぎ、月に1度は帰って教室生を指導。今回、同コンクールで愛弟子を舞踊新人部門で3人、同最高部門で1人合格に導いた。
「昔ながらの安冨祖流の古典踊りを大切に指導している。舞踊を続けてくれる人が少しでも増えればうれしい」と町さん。「現在、三味線の人間国宝である西江喜春氏に師事し、新人部門の受験に向けて頑張っているところ。いずれは三味線や箏曲、太鼓も教えていきたい」と張り切っている。