島唄とオーケストラが共演 「ベルスーズ奄美」公演 融合した豊かな音楽で聴衆魅了 奄美市名瀬

2022年11月28日

芸能・文化

島唄とオーケストラが共演 「ベルスーズ奄美」公演 融合した豊かな音楽で聴衆魅了 奄美市名瀬

 

 

島唄とクラシックの共演で聴衆を魅了した出演者ら=27日、奄美市名瀬

奄美の島唄をクラシックにアレンジした楽曲のコンサート「交響譚詩(★たんし)ベルスーズ奄美と島唄の未来をつなぐ」(同実行委員会、奄美市教育委員会共催)が27日、奄美市名瀬の奄美文化センターであった。地元オーケストラや合唱団、唄者ら総勢85人が出演し、島唄とクラシックが融合した豊かな音楽で約600人の聴衆を魅了した。

 

「ベルスーズ奄美(奄美の子守唄)」は、宇検村出身で音楽家の故山畑馨氏が作曲、1974年に初公演された全7曲の楽曲。2020年に逝去した山畑氏の意思を継承しようと、喜界島出身で奄美初の指揮者碇山隆一郎さん、奄美市名瀬出身のヴィオラ奏者川口さくらさん、同名瀬出身・在住ピアニストの田中裕太さんらを招き開催された。

 

コンサートは3部構成で、国内外で活躍する若手唄者の里アンナさん、前山真吾さんによる島唄で開幕。第2部では地元の愛好家たちで結成する「奄美オーケストラ」とピアノ、三味線の演奏に合わせ、奄美市公民館講座初級コーラスの受講生が奄美市民歌を合唱した。

 

第3部ではベルスーズ奄美から2曲を抜粋し、前山さんのソロによる「椎(★しい)や実(★な)るな」、オーケストラとピアノが加わった「舟の高舳(★たかども)(ヨイスラ節)」の2曲を披露。幻想的な音のハーモニーに観客席から大きな拍手が送られた。

 

碇山さんは「幼少期を過ごした奄美で演奏するという夢がかなった。天国の山畑先生にも思いが伝わったと思う」と関係者や来場者へ感謝。奄美オーケストラ代表で実行委員長の城昭久さんは、「草の根の演奏会だったが無事成功し、ベルスーズ奄美の継承に向けて一歩を踏み出せた。世界に通用する若い演奏家や唄者も多く、奄美の音楽界の未来は明るい」と話した。