「元気に生まれてね」 ウミガメの卵を保護 2年ぶり118個確認 笠利町屋仁小学校
2021年06月10日
子ども・教育
奄美市笠利町の屋仁小学校(神田哲郎校長、児童19人)は9日、近くの海岸で見つかったウミガメの卵118個を校内のふ化場に移した。10年目となる恒例の保護活動で、産卵を確認したのは2年ぶり。児童らは「元気に生まれてね」と願い、ふ化まで見守る。
産卵した海岸は防波堤から海までの砂浜が狭く、卵がふ化しにくい環境となっている。同校は2012年、奄美市の許可を得て校内にふ化場を設置。19年までに累計1119個の卵を保護し、うち864個をふ化させた。子ガメは同じ海岸から放流している。
昨年は産卵が確認できず、2年ぶりの活動となった。9日早朝、砂浜にウミガメとみられる痕跡があり、専門観察員が卵を確認。児童らは卵を掘り出して数を確認し、ふ化場に埋め直した。5月23日にも産卵があり、ふ化場では現在237個の卵を保護している。
初めて参加した1年生の西結來莉さん(7)は「卵が変な感触で面白かった。元気に生まれてきてほしい」と笑顔。6年生の福山恵愛さん(11)は「久しぶりにウミガメが産卵しに来てくれてうれしい。屋仁小ならではの活動なので大事にしたい」と語った。
同校の調査記録によると、産卵からふ化までの期間は平均59・3日。7、8月ごろにはふ化し、放流できる見込みだという。