シンポでノネコ・野良猫問題指摘 奄美こども環境調査隊
2018年09月04日
子ども・教育
「奄美こども環境調査隊」(奄美市教育委員会、南海日日新聞社主催)は1日、沖縄県那覇市で開かれた「沖縄こども環境調査隊2018」(沖縄タイムス社主催)のシンポジウムに参加し、奄美の自然文化や環境を守る取り組みについて紹介した。世界自然遺産登録で注目された今年、環境調査を通して沖縄の子どもたちと交流できたことを好機ととらえ「私たちが奄美と沖縄をつなぐ懸け橋となり、さらに交流を深めたい」と力強く発信した。
夏休み期間中に、沖縄こども環境調査隊と合同で奄美大島と沖縄島北部(やんばる)の世界自然遺産候補地を現地視察した奄美市の小中学生6人が登壇した。
奄美の調査隊は「知ってもらいたい!奄美のこと!!~森と海と島人(シマッチュ)のくらし~」と題して、奄美群島の成り立ちや奄美群島国立公園の特徴を紹介した。喫緊の課題としてノネコ・野良猫対策を挙げ、「こども環境調査隊として今後、行政や民間団体の取り組みを調査し、私たちに何ができるのか考えていきたい」と抱負を述べた。
沖縄での環境調査を振り返り、「奄美でも起こりうる問題について考えることができた」と述べ、「国立公園の利用者の増加がもたらす自然への影響について解決策を練らなければならない」と提言した。
シンポジウムでは沖縄こども環境調査隊の8人が活動の成果を発表した。
「被害をあたえる外来種」をテーマに発表した親泊愛都さん(琉大付属小6年)と竹尾謙志郎さん(石田中1年)は、奄美の大浜海浜公園で外来種のアメリカハマグルマの駆除作業を体験し、「とても根っこが長くて、簡単に抜くことができず繁殖力を実感した」と報告。マングースの探索犬やわなの種類についても学び、「外来種というだけで駆除・殺処分するのは違うと思う。在来種と同じ命。連れてきたのは人間。持ち込むときに、その必要性をしっかり考えるべき」と主張した。
奄美・沖縄の隊員たちは最後に、「学んだこと、感じたことを伝え、自分でできることを実践していきます」と宣言し、「未来に自然を残すぞー!」と声を合わせ、ガッツポーズで締めくくった。
奄美の隊員の稲田美空さん(小宿小5年)は「こんな大きな舞台は初めて。すごく緊張したが、とてもいい経験をした」と笑顔。孫田孔明さん(伊津部小6年)は「この経験を生かし、大きくなったら奄美野生生物保護センターで働きたい」と将来の夢を語った。
最年長の満田陽さん(大川中3年)は「奄美のことを知ってもらういい機会になった。大勢の前で話す自信もついた。これからも学んだことを多くの人に伝えていきたい」と目を輝かせた。