共生社会へ理解深める 3年生がパラスポーツ体験 喜界中学校
2022年09月19日
子ども・教育
喜界町の喜界中学校(藤野義久校長、生徒167人)で14日、障がいの有無にかかわらず誰もが楽しめるパラスポーツの体験授業があった。3年生が楽しみながら体を動かし、目標球に自分のチームのボールを近づけて得点を競う「ボッチャ」などを体験。社会の中の障害や多様性、共生社会の大切さについて理解を深めた。
体験授業は、上智大学の学生団体「GO BEYOND」とあいおいニッセイ同和損保が実施するプロジェクト。
GO BEYONDは、障がい者への理解促進、世界の多様性を受け入れる豊かな国際感覚の醸成などを目的に、東京都内を中心に全国の小中学校への講演会や体験活動を行なっている。喜界中出身の濵井南咲希さん(上智大学外語学部英語学科2年)が所属していることから喜界町での出張授業が実現した。
前半は、デフサッカー日本代表の松元卓巳選手と、パラリンピックのアルペンスキー日本代表として1998年の長野大会と2006年のトリノ大会に出場した野島弘さんが講話した。
松元選手は先天性両混合性難聴。周囲の状況から「聞く」「聞き取る」「話す」「読み取る」ための訓練や、周りの支援を受けながら競技に取り組んだ体験を述べ「障がいは個性。できないことは助け合ったらいい。人と比べず、夢を持って諦めないで」と訴えた。交通事故で車いす利用者になったという野島さんは「簡単なことをコツコツ続けることが成功につながる」と生徒たちに呼び掛けた。
生徒らは、講話に続いてパラスポーツやジェスチャーのみで自分の思いを相手に伝える伝言ゲームなどに挑戦。西田そよ花さん(15)は「ボッチャは初めて。みんなでできて楽しかった」と感想を話した。
教室を開くきっかけをつくったGO BEYONDの濵井さんは「東京でパラスポーツを経験し、喜界島でも楽しさを伝えたいと思った。島の子どもたちには、きょうの体験をきっかけに共生社会への理解を深めていってほしい」と語った。