実感!川の生物多様性 やけうちっ子環境講座 宇検村
2023年07月29日
子ども・教育
宇検村やけうちっ子環境学習世界自然遺産博士講座(宇検村教育委員会主催)の第2回「実感! 宇検の川の生物多様性」が28日、同村湯湾の生涯学習センター「元気の出る館」などであった。村内の小中学生43人が参加。座学やグループワークを通し、奄美大島だけに生息する絶滅危惧種リュウキュウアユをはじめ、島の豊かな水生生物について学んだ。
同講座は、奄美・沖縄が世界自然遺産に登録された21年度に始まり、今年で3年目。地域の自然や文化、歴史を学び、持続可能な社会の担い手の育成が目的。第2回は、県環境技術協会環境調査部環境生物課の米沢俊彦さん(53)、鹿児島大学水産学部准教授の久米元さん(49)が講師を務めた。
米沢さんは「リュウキュウアユと奄美の川の生きもの」と題して講話。リュウキュウアユと一般的なアユとの見分け方や海と川を往来する行動原理、1年で生涯を終える生態などについて解説した。
奄美大島での▽分布域▽個体数の推移▽減少要因―にも言及。1970年代、沖縄本島でリュウキュウアユが絶滅したことにも触れ、「奄美大島だけに生息する希少で美しい生き物。島の『宝』として大切に守ってほしい」呼び掛けた。
グループワークでは久米さんが進行役となり、鹿大水産学部4年の西原改さん(22)と井上賢太郎さん(22)、同大院生の松本悠さん(23)が、それぞれの研究テーマである「ニホンウナギ」「リュウキュウアユ」「アカオビハナダイ」について紹介した。
田検小学校に通う松元駿成くん(6)は「アカオビハナダイの頭にある耳石(じせき)の年輪で何歳か分かるのが面白かった。普段は海や川にあまり行かないけれど、水の生き物に興味が湧いた」と笑顔で話した。
村内の河内川で予定していたリュウキュウアユなどの観察会は、前日までの雨の影響で中止した。講座終了後、阿室小中学校の岩切敏彦教諭が案内人を務め、会場周辺でフィールドワークを実施。参加者らは、トンボやアメンボといった、身近な水生昆虫などを観察した。