山、川、海の生物学ぶ 宇検村で今年も始動 興さん講師に理解深める やけうちっ子環境学習

2022年05月08日

子ども・教育

奄美大島の陸上や近海に生息する生物について学んだ「やけうちっ子環境学習」の今年度初回講座=7日、宇検村生涯学習センター元気の出る館

奄美大島の自然環境や動植物などを学ぶ「宇検村やけうちっ子環境学習 世界自然遺産博士講座」は7日、2022年度の初回講座が村生涯学習センター元気の出る館であった。小中学生ら10人余りが参加。奄美海洋生物研究会長の興克樹さん(51)を講師に迎え、山や川、海など島内外に生息するさまざまな生物について理解を深めた。

 

講座は、持続可能な社会の担い手育成を図り、昨年度に始まった。2年目の今年度は来年2月まで全6回、座学やフィールドワークを通じて学習を進める。

 

初回は冒頭、興さんが生物クイズを出題。鳥類について「イソヒヨドリとルリカケスは色が似ていて、見間違えやすい」「繁殖期はひな鳥が地面にいたりするが、近くに親鳥もいるので不用意に近づかないように」など解説を添えた。

 

続けて川など陸水域の外来種問題にも言及。国外原産のソードテールやテラピアなど魚類のほか、カミツキガメなども島内で捕獲したことがあるとして、「放置すると在来種の生態系に悪影響を及ぼす。皆さんも意識して近所の川などを見てみて」と伝えた。

 

さらに海の生物として、海底の砂地に特徴的な産卵床を作るアマミホシゾラフグ、奄美近海や外洋を広く回遊するザトウクジラなどを紹介。焼内湾など宇検村周辺海域については「調査が進んでいない部分も多く、これから新発見があるかもしれない」とした。

 

参加した小中学生からは「焼内湾も早く調査が進んでほしい。新種の発見などがないか楽しみ」「知らない生物も多くて勉強になった」「(世界遺産登録後も)まだまだ課題がたくさんあると分かった」など感想が寄せられた。

 

次回は6月18日、元気の出る館で、自然環境に配慮した自動車「エコカー」に関する講座がある。