海の生き物魅力紹介 興さん(奄美海洋生物研)講話 県立奄美図書館
2023年05月14日
子ども・教育
県立奄美図書館の生涯学習講座「あまみならでは学舎」が13日、奄美市名瀬の同図書館であった。奄美海洋生物研究会会長の興克樹さん(52)が講話し、クジラやサンゴ、ウミガメなど奄美近海で見られる生き物の魅力と保護の取り組みを紹介した。
興さんは奄美市名瀬出身。市職員として奄美海洋展示館勤務を経て独立。サンゴ礁保全や、ウミガメ、クジラなどの生態や、外来水生生物の調査研究に25年以上取り組んでいる。
講話では、冬から春にかけて来遊するザトウクジラについて、奄美大島沿岸で今年2月、国内で初めて出産中の映像が撮影されたと報告。「貴重な知見が得られた。奄美周辺で生まれている身近な存在と思って」と呼び掛けた。
海底に「ミステリーサークル」と呼ばれる幾何学模様の巣を作るアマミホシゾラフグや、生きたサンゴと共生するスツボサンゴツノヤドカリなど、奄美近海では近年、次々と新種が発見されているとも説明。「サンゴ礁はさまざまな生き物が生息し、多様性に富んでいる」と強調した。
人気を集めるホエールウオッチングや、ウミガメをシュノーケルで観察するツアーの自主ルールづくりなど、海の生き物を保護しながら活用する取り組みも紹介した。
講座は2023年度の第1回。市民ら約70人が聴講した。奄美市名瀬の髙野輝君(8)は「カメに合いたいと思った」と笑顔。母親の亜希子さん(43)は「子どもが海が好きなのでシュノーケルに行く。普段は沖にいるクジラなどは見られないので、貴重なお話が聞けました」と話した。