軽石除去でブロック賞 与論中生徒会 ボランティア・スピリット・アワード

2022年12月27日

子ども・教育

軽石除去でブロック賞 与論中生徒会 ボランティア・スピリット・アワード

ボランティア精神を発揮し、自ら行動を起こしている中高生をたたえる「第26回ボランティア・スピリット・アワード」(プルデンシャル生命保険など主催)の審査がこのほどあり、与論町の与論中学校生徒会が九州で唯一、ブロック賞に選出された。昨年、取り組んだ軽石除去作業が評価された。

 

同アワードには、全国の中高生(個人72人、グループ1万1661人)からボランティア活動をつづった355通の応募があり、ブロック賞30組、コミュニティ賞150組が選ばれた。

 

与論中生徒会は2021年11月、小笠原諸島の海底火山噴火の影響で流れ着いた大量軽石が、島の漁業や観光業に被害を与えていることを知り、除去活動を企画。生徒会担当の小水流斉弘教諭と協議を重ね、德重正宏校長の承諾を得て、全校生徒や教諭、保護者、地域住民を巻き込んでの作業実施を決めた。

 

11月13日には島内3カ所の海岸で軽石を回収。その後も、部活動や個人単位で軽石除去のボランティアを続ける生徒がいたことなど、活動の継続性も評価のポイントとなった。

 

生徒会役員の一人として同アワードへの報告書をまとめた田中優里明さん(15)=3年=は、受賞を受け「与論の美しい海を次世代につなげるため、軽石や海ごみ拾いの活動をしながら、与論からボランティア意識を広めていきたい。高校に入ってからも個人的に人のためにできることをしていきたい」と話した。

 

德重校長は「与論の海の状況を見て、生徒らが何とかしようとの思いに至り、その活動が評価されてうれしい。今後も生徒たちが成長する過程で課題を見つけ、力を発揮していってほしい」とたたえた。

 

ボランティア・スピリット・アワードブロック賞の表彰状を手に受賞を喜ぶ田中さん(中央)と德重校長(左)、小水流教諭=22日、与論中学校