認知症について学ぶ 講師に住みます芸人の仮屋さん 徳之島

2022年12月05日

子ども・教育

 

 

認知症について児童らと意見をかわす仮屋さん(右)=11月28日、天城町の兼久小

介護の日(11月11日)に合わせた県の事業「学校における介護の日関連イベント」が11月28日に天城町の兼久小学校、29日に伊仙町の面縄小学校で開かれた。吉本興業に所属するタレントの仮屋竹洋さん(35)が両校を訪問。児童らと交流しながら、認知症患者の介護の際に「笑顔」で接する大切さなどを伝えた。

 

吉本興業は2011年から「あなたの街に〝住みます〟プロジェクト」と銘打ち、所属タレントを全国の都道府県に派遣して地域貢献活動を展開しており、肝付町出身の仮屋さんは鹿児島県住みます芸人として活動中。祖母の認知症をきっかけに認知症サポーターの資格を取得し、県内で高齢者との交流活動などに取り組んでいる。

 

兼久小(仮屋浩一校長、児童51人)では4年生児童7人が受講。仮屋さんは認知症を発症するメカニズムなどについて説明し、「いろんなことを忘れても『悲しい』『うれしい』などの感情は残る。認知症の人が不安にならないよう笑顔で優しく接してほしい」と話した。

 

グループセッションでは、町内の老人ホームにいる高齢者が家に帰りたがっているという設定で、対応方法について話し合い、児童らは「寂しさを紛らわすために散歩に連れていく」「昔の話を聞いて家の状況をできるだけ再現してあげる」などの意見をまとめた。

 

仮屋さんは「なぜ家に帰りたいと言い出したかを知ってあげることが大切」と話し、「介護は難しいイメージがあるが、気持ちに寄り添うことが一番大切。笑顔で接して」と助言。受講した中野宏幸君は「認知症の人がいたら、きょう学んだことを生かして優しく接したい」と話した。

 

徳之島を訪れたのは初めてという仮屋さんは「徳之島の子どもは元気なイメージ。しっかり素直に話を聞いてくれた」と話し、「今後も県内の高齢者が不安のない環境で過ごせるように活動に努めたい」と語った。