人口減に対応できる島づくり 次期総合戦略策定へ 奄美市で有識者会議

2025年02月05日

政治・行政

奄美市の次期総合戦略について検討した会議=4日、奄美市名瀬

人口ビジョンの達成を目標に、向こう3年間の施策を盛り込む「奄美市総合戦略」について検討する会議(馬場武座長、委員16人)の最終会合が4日、名瀬のアマホームPLAZAであった。2024年度で期限切れとなる現戦略を見直すもので、23年度に策定した市総合計画(未来の奄美市づくり計画)実現のための重点プロジェクトとの位置付け。子育て世代を増やすことや「人口減に対応できるしまづくり」を目標に掲げる。

 

次期総合戦略の計画期間は25~27年度。総合計画や奄美市の各個別計画とも連動した戦略とする。策定により国のデジタル田園都市国家構想交付金を活用できる。

 

今年度、島内5市町村で策定した「奄美大島人口ビジョン2025」は2060年の目標人口を、最新の将来推計人口より7056人多い4万265人に設定した。

 

その人口ビジョン達成に向け、総合戦略は①社会動態をプラス②子育て世代を増やす③出生数を増やす④人口減少に対応できるしまづくり│を目標に掲げる。

 

また、取り組みの効果を図る数値目標も設定。例えば「人口減少に対応できるしまづくり」では、23年は58%だった「企業でのデジタル化の取り組み割合」を、27年には70%の達成を目指す。

 

会議では「島で働く人を増やす」「島の仕事を応援する」などの施策に関して委員から「新規(創業)への施策が目立つ。既存の企業も後継者問題など、いろいろな課題を抱えている。そこに対する取り組みがもっとあれば」といった意見があった。

 

施策のうち「医療の確保」に関して移住者でもある委員の一人は「都会から移り住んできた身からすれば、医療機関や専門医の少なさは不安」と指摘。他の委員からも医療の確保に向けた施策の充実や、医療現場に、より住民意見を反映させるための取り組みを求める意見などがあった。

 

市は、今回の会議を踏まえて一部修正を加えた総合戦略案を、今月13日開会の市議会3月定例会に提案。議会の議決を経て今年度中の戦略策定を目指す。