公共交通路線維持に支援を 県町村会、知事へ要請 地方自治振興促進懇談会

2025年01月21日

政治・行政

県内の町村首長と塩田康一知事が経済対策などについて意見交換した地方自治振興促進懇談会=20日、鹿児島市

県町村会(会長・高岡秀規徳之島町長)主催の2024年度地方自治振興促進懇談会が20日、鹿児島市のホテルであった。奄美群島を含む県内町村の首長と塩田康一知事が経済対策などについて意見交換。町村会が、民間路線バスなど公共交通機関の路線維持や地域の「稼ぐ力」の向上に向けた取り組みへの支援を県に求めた。

 

懇談会には町村会、県当局から計約40人が出席した。

 

公共交通機関の現状について高岡会長は「民間路線バス事業者においては、特に新型コロナウイルスの感染拡大に端を発した利用者数の減に伴う運賃収入減少や、慢性的な運転手不足などにより経営状態は非常に厳しい」と指摘。路線維持に向けた市町村の財政負担が増加傾向にあることも踏まえ、▽特別交付税措置の拡充▽地域間幹線系統確保維持費国庫補助金の補助要件緩和・拡大―といった財政支援を県に要望した。

 

塩田知事は「国に対しては、地域の実情に十分配慮し、バス事業者や県、市町村の負担が増加しないように、必要な措置を講じるよう強く要望している。今後も地域公共交通の維持・確保に努めていく」などと述べた。

 

地域経済振興策では、県産品の販路拡大や魅力ある観光地づくりなどに関し、県の施策や目指す方向性を踏まえ意見を交わした。

 

奄美振興に関連して塩田知事は「世界遺産センターなども活用して各世界自然遺産の魅力発信や誘客キャンペーンを実施するなど、観光客の誘致、周遊促進に努めていく」と強調。地元首長からは、インバウンド(訪日外国人客)のさらなる増加も視野に、電子決済システムの導入を後押しする取り組みが必要との意見があった。