島しょ防衛に決意新た 地元から期待の声も 奄美駐屯地開設行事
2019年04月01日
政治・行政
南西諸島の防衛体制強化を目的に26日開設された奄美市名瀬大熊の陸上自衛隊奄美駐屯地で31日、開設行事が行われた。防衛省幹部や隊員、来賓ら530人余りが見守る中、原田憲治防衛副大臣から平田浩二奄美警備隊長(1等陸佐)へ隊旗が手渡され、隊員らは決意を新たにした。同駐屯地には瀬戸内分屯地(瀬戸内町節子)と合わせ警備部隊と地対空・地対艦ミサイル部隊を配備、隊員約560人が任務に就いた。(3、8、9面に関連記事)
特別編成された儀仗隊(隊長・古場太佑瀬戸内分屯地司令)による儀仗では原田副大臣が巡閲。隊旗授与式に続いて編成完結報告が行われた。
原田副大臣は緊張が続く北朝鮮情勢や中国の脅威に触れながら「島しょ防衛は喫緊の課題。奄美大島と宮古島に警備部隊等を配備することで南西地域の空白地帯の一部を解消するとともに、災害など不測の事態にも貢献できる。いかなる困難にもひるまず、強い使命感で臨むことを期待する」と訓示した。
来賓で三反園訓知事が「自衛隊の新たな第一歩が奄美で始まることを県民と共に喜んでいる」と祝辞。朝山毅奄美市長は2010年の奄美豪雨を振り返りつつ「自衛隊の迅速かつ献身的な活動は今も心に焼き付いている。地域住民にとって安全安心のよりどころになる」と期待を寄せた。
陸自幹部や来賓らが正門前に移動して除幕式後、背後の名瀬港沖から進入してきた航空自衛隊のアクロバット飛行隊「ブルーインパルス」6機がスモークで上空に弧を描き、駐屯地開設に花を添えた。