市独自の経済支援など要望 奄美市内の飲食業者 新型コロナ

2021年05月11日

政治・行政

奄美市の朝山毅市長に要望書を提出した屋仁川飲食業有志の会のメンバー=10日、市役所

奄美市の朝山毅市長に要望書を提出した屋仁川飲食業有志の会のメンバー=10日、市役所

  新型コロナウイルスの影響で経営が悪化している奄美市内の飲食業の関係2団体が10日、朝山毅市長にそれぞれ要望書を提出した。奄美大島で初のクラスター(感染者集団)が発生したことなどから、飲食店を取り巻く状況が深刻化しているとし、市独自の経済的支援や飲食店従業員に対するワクチンの優先接種などを求めた。朝山市長は「喫緊の課題として検討し、可能な限り支援、協力していく」と述べた。

 

 奄美市社交飲食業組合(伊東隆吉理事長、加盟95店舗)は、理事4人が組合を代表して要望書を提出。組合に加盟する居酒屋、スナック、バーなどの現状を説明した上で、飲食業関係者へのワクチン優先接種のほか、従業員や来店客が感染した可能性がある場合の対処方法、コロナ対策などの具体的な行政指導を求めた。

 

 伊東理事長(70)は「奄美市内で初のクラスター発生で、どのような対応をしていいか分からないと訴える店も多かった。市には方向性でもいいので示してほしいし、できる限りの情報公開もお願いしたい」と語った。

 

 屋仁川飲食業有志の会は、居酒屋やカラオケを経営するビルドライズ(同市)の築道弘さん(56)が世話人となり、居酒屋など飲食店49店舗、スナックなど接客を伴う飲食店27店舗の賛同を得て意見を取りまとめた。要望は▽奄美市独自の経済支援策の速やかな実行▽県の協力金支給対象外となった事業所(酒屋や納入業者など)の救済▽飲食、観光業者へのワクチン優先接種│など9項目。

 

 築さんは「どこの店も年間を通して売り上げが激減し、大きなダメージを受けている。従業員の雇用も厳しく、将来、屋仁川で店を出そうと考えている若い子たちも諦めている現状がある」と窮状を訴えた。