成長戦略提言、策定へ 三つの柱軸に産業振興 群島新ビジョン懇話会
2023年02月15日
政治・行政
奄美群島新ビジョン懇話会(座長・原口泉志學館大学教授、委員17人)は14日、奄美市名瀬の市民交流センターで第5回会合を開き、奄美の10年後を見据えた「奄美群島成長戦略ビジョン2033」案を了承した。21日に開かれる奄美群島市町村長会(会長・高岡秀規徳之島町長)で、原口座長が高岡会長へ案に関する提言書を提出し、新ビジョンが策定される見込み。
成長戦略ビジョンは奄美12市町村が一体となって群島の将来像を描き、実現に向けた推進戦略などを目指す10年計画。新ビジョンは2023年度末に期限切れを迎える奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の延長や各種交付金制度の理論付けにもなる。
現行ビジョンの重点3分野(農業、観光・交流、情報)を継承しつつ、新たに三つの柱(つなぐ宝、稼ぐ力、支える基盤)を基本理念の基軸とし、仕事の創出に重点を置いた産業振興を目指す。
基本理念に掲げた三つの柱のうち、「つなぐ宝」「稼ぐ力」を推進する「支える基盤」の3分野には「ひと(教育、人材育成・確保、移住・定住)」「再生可能エネルギー」「デジタル(DX、情報インフラ整備)」を盛り込んだ。
奄美群島の将来像は、現行ビジョンの「若者がチャレンジし、夢を実現する島」「全ての『島ちゅ』が主人公として活躍する島」の2項目を継承。21年7月に世界自然遺産登録されたことを踏まえ、「世界の人々に魅力を伝える島」を「宝を守り、受け継ぎ、世界の人々と共有する島」へ変更している。
14日の会合では、前回の協議内容を基に事務局(奄美群島広域事務組合)が修正した案を提示。委員からは新ビジョン策定の意義について、合計特殊出生率の高さに起因する子育て環境などの追記や一部表現の修正を求めた。
21日の奄美群島市町村長会では、今回出された委員からの意見を踏まえた修正案と提言書、現行ビジョンの成果検証に関する提言書を高岡会長へ提出する。