派遣2年目、離島振興部署に 奄美市の米田さん

2022年04月17日

政治・行政

謝花前副知事(中央)と肩を並べる上原班長(左)と米田さん(右)=3月31日、沖縄県庁

2021年4月から沖縄県に派遣されている奄美市職員の米田俊也さん(38)。離島や過疎地域の振興を図る部署で、ICT人材の育成や特産品の販路開拓などに携わる。沖縄の本土復帰50年の時期に派遣されたことを好機ととらえ、来年復帰70年を迎える奄美に沖縄での学びを還元したいと考えている。

 

派遣1年目は新型コロナウイルス禍で移動制限がかかったが、業務での宮古島出張や、プライベートでも慶良間諸島などに足を運び、合わせて県内17の有人島を訪れることができた。

 

奄美も伝統行事が盛んだが、沖縄の離島ではより神聖な祭りが多いという印象を受けた。「神の島」と呼ばれる久高島では、人が住んではいけないとされる聖域もあった。

 

宮古・八重山は奄美と同じくらいの規模。観光戦略の面などで参考になると感じる。そっくりまねるのではなく、奄美のよさを生かせるものを選び取る必要がありそうだ。

 

奄美市職員は派遣先で「研修生」と呼ばれる。米田さんの派遣先である離島振興班の上原嘉彦班長は「奄美の研修生はとてもまじめ。安心して仕事を任せられる」「奄美市から『もう派遣できない』と言われるまで、今後も受け入れていくだろう」と歴代研修生の働きを高く評価した。

 

米田さんを含め3人の研修生と接してきた同僚の石川清秀さんは「みんな沖縄が好きだということがよく伝わる」と話す。奄美でも役立つ経験ができるよう業務を計画したり、人脈を広げてもらおうと組織横断的に人を紹介したりしている。

 

「沖縄県の本土復帰50年という、とてもよい時期に派遣された」と話す米田さん。3月に退任した謝花喜一郎前副知事からは「やりたいと思った時点で、もう半分できている。思ったことを実現するため、全力で汗を流して」とエールをもらった。その言葉を胸に、公務員としての責務を全うしようと前を向いている。

 

(沖縄・佐久本薫通信員)