農村環境維持で事例発表 奄美・喜界リーダー研修会 水土里サークル活動
2022年09月30日
政治・行政
農地や農業用施設など農村環境の保全へ地域一体で取り組む「水土里(みどり)サークル活動」の2022年度奄美大島・喜界島リーダー研修会が29日、奄美市名瀬の集宴会施設であった。2団体が農村文化継承などの活動を発表し、各組織の活動に理解を深めた。
水土里サークル活動は国の交付金を活用した事業。7月末現在で県内579団体(うち、奄美大島36団体、喜界島2団体)が活動しており、耕作放棄地の解消や獣害対策、農村文化の伝承などを展開し、農業・農村の多面的機能の発揮を目指している。
リーダー研修会は県と地元6市町村が主催し、官民の約130人が出席。事例発表で「市(いち)集落環境支援隊」(奄美市住用町)の山下哲次さんは、地域清掃や植栽などの環境美化活動のほか、地元の子どもたちも参加する八月踊りや島唄、地域行事といった文化継承の取り組みを紹介した。
「嘉鉄の畑と水と緑を守り隊」(瀬戸内町)の重村満久さんは、遊休農用地や農道、水路管理などの活動を報告。ビニールハウスの増加による水不足に対し、新たな水源の確保や節水の呼び掛けなどを行っていると述べ、「サークル活動を中心に集落の活性化と環境保全に努めたい」と語った。
事例発表に続き、「中川ふるさと保全会」(日置市)元副会長の比良精一さんが「むらを守る」の題で講演。各地域から集ったサークル代表者らの意見交換会もあり、参加者は交流を広げながら地域づくりについて考えを深めた。