成長戦略新ビジョン懇話会 奄美群島

2022年12月16日

政治・行政

奄美群島新ビジョンの追記・修正案について説明があった懇話会=15日、奄美市名瀬

奄美群島新ビジョン懇話会(座長・原口泉志學館大学教授、委員17人)の第4回会合が15日、奄美市名瀬の市民交流センターであった。今年度内の策定を目指す「奄美群島成長戦略ビジョン2033」について、事務局側が前回の協議内容を基に追記・修正した案を提示。委員から、ビジョンに盛り込む評価指標について、達成状況が明確に把握できるような内容にするよう求める意見が出された。来年2月に第5回会合を開く。

 

成長戦略ビジョンは、奄美群島12市町村が一体となって将来像を描き、実現に向けた推進施策などを示す10年計画。新ビジョンは2023年度末に期限を迎える奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の延長や各種交付金制度の理論付けにもなる。

 

事務局の奄美群島広域事務組合が示した新ビジョン案は(1)つなぐ宝(2)稼ぐ力(3)支える基盤-を柱とし、基本理念と各分野、各島の基本方針・方策を掲げている。さらに「ビジョンの達成度を評価する指標」を記載し、策定した戦略の実効的な推進を目指す。

 

今回の会合では、前回に委員から出た意見を踏まえ、より詳細で具体的な方針・方策を明記した案が示された。「達成度の評価指標」についても群島としての「全体指標」に加え、各島固有の特色を考慮した「独自指標」が盛り込まれ、事務局が方針・方策との関連を補足説明した。

 

協議では、与論島の基本方針・方策とされる学校教育に依拠しない「(社会人の)学び直し」について、委員から「群島全体に通じる課題」と指摘があり、生涯学習の在り方で意見交換。高等教育の充実による地域振興の可能性についても議論した。

 

各島の「独自指標」については「既存のデータなど明確な根拠を基に設定すべき」「達成度を適正に測れるかが重要」「基本理念とどう連動するかも考慮しないといけない」などと意見が上がり、議論を重ね「多様性を強みとする各島が有機的につながることが大切」との認識を共有した。

 

奄美群島成長戦略ビジョン2033は、第5回会合で修正案の最終確認を行い、奄美群島市長村長会への提言書提出を経て策定となる。