「故郷とつながっていたい」 宇検村3世の文岡さん 役場訪問、近況報告
2024年01月06日
地域
鹿児島県海外技術研修員で日系ブラジル人の宇検村3世、文岡タチアナ由美さん(27)は5日、同村役場を表敬訪問し、研修活動や近況などを報告した。文岡さんがルーツとなる宇検村の地を踏むのは初めて。
文岡さんの祖父母は宇検村出身。父・セルジオ正樹さんは、ブラジル鹿児島県人会の25代会長で、奄美ゆかりの人物が会長に就任したのは歴代初となる。
文岡さんは昨年9月、経済や文化の交流促進、人材育成などを目的とする県事業で来鹿。約2カ月の日本語研修を終え、今年2月下旬まで鹿児島市内の貿易会社で実技研修に取り組む。
宇検村へは、自分のルーツをたどりたいと年末に入り、親戚の案内で曾祖父が建設に携わった湯湾の「伯国橋」を巡ったり、島の正月文化を体験したりしたという。
役場では、昨年8月にサンパウロ市で開催された「ブラジル鹿児島県人移民115周年および県人会創立110周年記念式典」の訪問団らとも面会し、同村のブラジル移民の話などにも花を咲かせた。
「祖父母や父が話していた通り、自然が豊かで海もきれいだし、人はとても温かく、明るい。研修での学びを含め、帰国しても故郷の宇検村、鹿児島とつながっていたい」と文岡さん。元山公知村長は「今後は2世、3世など若い世代での交流も活発に行っていきたい」話した。