「渡航禁止下で交流」 与論と国頭の歴史学ぶ 沖縄復帰50年記念講演
2022年03月18日
地域
【沖永良部総局】沖縄の日本復帰50周年を記念した講演会が12日、与論町中央公民館であった。与論町出身の父と沖縄本島北部にある国頭村出身の母の間に生まれた青山惠昭(けいしょう)さん(78)=沖縄県在住=が、米軍統治下時代の両島の交流などについて、自身の体験も交えて講演した。
県境の与論町と国頭村は古くから交流が続いている。講演会は沖縄復帰50周年に合わせて両地域の関係への理解を改めて深めようと、沖縄復帰50周年記念事業与論町推進委員会が主催。両町村は来月下旬に児童の相互派遣などの交流事業を計画しており、講演会には町内の小学生8人を含む約30人が聴講した。
青山さんは小学2年生の時に初めて与論町を訪れた際の思い出や、奄美群島が1953年に沖縄より先に日本復帰し沖縄との渡航が禁止された後も、両地域で物々交換による交易が続いていたことなどを説明。両島の島民が沖縄の復帰を求め、かつての国境・北緯27度線上で行った漁船での海上集会に参加した際の様子なども伝えた。
青山さんは「米軍統治下では与論へ行くのにパスポートが必要だった」と教え、驚いた様子の児童もいた。
このほか、人事交流で国頭村から与論町へ出向している町商工観光課の渡慶次(とけし)勇樹さん(34)が、国頭村の位置や自然環境、人口、集落などの村の概要を紹介した。