ため池「危ない」と住民指摘 北部中心にフェンス10カ所 台風24号で倒壊 和泊町
2018年11月07日
地域
【沖永良部総局】9月末に襲来した台風24号などの被害で、沖永良部島では北部を中心に、農業用ため池を囲うフェンスの倒壊や止水シートの破損が目立っている。中には通学路に近い所もあり、住民からは「子どもが中に入って池に落ちたりしないかと心配。長く放置しておくのは危険」といった声も上がっている。
和泊町耕地課によると、町内には89のため池がある。うち台風24号や25号でフェンスが倒れたり、止水シートが破れたりしているのを確認したのは計10カ所。
内訳は国頭と喜美留で各3カ所、畦布、玉城、和、永嶺で各1カ所。国頭や喜美留など北部地域で被害が多いのは「ため池が多いことや、潮風害を受けやすくフェンスなどが腐食しやすいのが要因」(同課)と考えられている。
国頭の農業、脇田清一郎さん(80)は「子どもたちがよく遊んだり、走ったりしているのを見かける場所でもため池のフェンスが倒れたままの状態。近くに牛舎もあり、子牛が逃げて池に落ちても大変」と話した。
和泊町耕地課によると、町内には台風襲来前から他にも補修が必要なため池があり、年次計画に沿って修繕している。今回新たに被害を受けた所については予算の専決処分も視野に復旧を急ぐ考え。
同課の亘禎一郎課長は「町民が日常生活でよく行き来するような場所など、特に危険性が高い所を優先的に、できるだけ早く対応したい」と語った。